Author:16
名前とブログ名は(仮)です。そのうち変わりそうな予感。08年1月3日に引っ越してきました。やたら古い記事がありますが旧ブログのものです。
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| - | - | - | - | - | 1 | 2 |
| 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
| 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
| 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
| 31 | - | - | - | - | - | - |
|
"バックベアード"というタイトルを見て、ペドフィリアの小説かと一瞬でも考えてしまった私には、完全に間違った思考回路が備わってしまっているようです。もちろん本書には何の関係もありません。
途中まで片説家が本当に存在する職業と何の疑いも持たず読んでいました。恥ずかしッ! こんな世知辛い世の中じゃ、こんな職業も成立するかもなぁ。と何故か妙に納得しちゃったんですよね。実際、複数の人間で書かれた小説もありますし。半分ぐらいまで読み、さすがに怪しくなってきてネットで調べて気付きました。しまった創作だったか! このときの恥ずかしさといったら。 片説家とは小説家と似て非なるもの。小説家が不特定多数の読者に向けて小説を書くのに対して、片説家は依頼人と呼ばれるたった1人の読者のために物語を創作する。しかも、創作するのは1人ではなく、集団作業で役割分担し1つの物語を完成させる。また彼らは会社員であり月給もボーナスも退職金も支給される。普通、この設定読んだら存在しない職業だって気付きますよね…。 三島由紀夫賞を取ったみたいだし、純文系だったら嫌だなぁと思いつつ読み始める。文章自体は佐藤友哉のものなのですが、序盤は随分退屈な印象を受けました。というのも、私が佐藤友哉を読むにあたって求めているのは、不条理バイオレンス&ミステリィなのだ。しかし、『日本文学』『やみ』『1000の小説』『バッグベアード』『図書館』などのワードが出てきたあたりから、一気に物語は加速していき読んでいる私も小説にのめりこんでいきました。 こういう世間一般では知られていない組織が、実は世界情勢を左右しているという設定には心躍ります。と同時に、この感覚どこかで経験したことがあると過去の記憶が呼び起こされました。この感覚は村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」だ。あの話も『組織(システム)』『工場(ファクトリー)』という2大組織の力が均衡していることで世界経済のバランスが保たれているというものでした。設定は全然違うんですけど、どこか似たイメージがある。佐藤友哉は「世界の終わりの終わり」というタイトルの本も書いてますし、どこかで村上春樹の影響を受けた作家のでしょうかね、少なくともサリンジャーには影響を受けているようですが。 さて、そこからは物語はハードボイルドなものに。暴力が出たり誘拐されたりと疾走感のある展開が。そして、その中で文学とは 小説とは 小説家とは? といった問題を投げかけてきます。 見所は現実には存在しない片説家というものを、当たり前に存在するものとして扱い(実際この世界の中では常識的に存在している。)片説家VS小説家という構図で議論させているのは、なかなか読み応えがありましたよ。そこに、小説家並の才能を持ちながら全ての小説を笑う『やみ』や『1000の小説』も絡んでくる。鏡家シリーズしか佐藤友哉の著書を読んでない私には、こんなものも書くんやなぁと新鮮な驚きがありました。台詞回しなんかは今まで通りなんですけどね。結末もこの人にしてはスッキリした終わり方でした。 |
||
烏賊川市シリーズ第3弾。3作目にして一気に増頁。けっこうなボリュームに仕上がっています。 プロローグで10年前にビニールハウス内で発生した医師殺害事件が迷宮入りになったエピソードを語るところから始まり、舞台は10年後の烏賊川市へ。今回、鵜飼探偵事務所に持ち込まれた依頼は「招き寿司」チェーン社長・豪徳寺豊三の愛猫ミケ子を探し出して欲しいというもの。鵜飼探偵と他二名の奮闘も空しく捜索途中で依頼主の豊三が何者かに殺害されてしまう。それも10年前に事件があったビニールハウスで。そして現場には人間サイズの巨大な招き猫が・・。鵜飼達は豪徳寺家と依頼継続の交渉をするべく豊三の葬式に赴くが、葬儀会場で再び殺人事件が起こってしまう。この2つの事件は同一犯による犯行なのか、10年前の事件との関連は、招き猫の意味は、そしてミケ子の握る事件を解く鍵とは。 といった具合に今回はなかなか複雑な構造となっております。相変わらずユーモアと丁寧な伏線が散りばめられた良作です。今回は何といってもタイトルにもなっている猫! 猫が頻繁に登場します。事件を調べ始めると行く先々で猫にまつわるものが関わってくるというのは、何か暗示めいたものが隠されている雰囲気がして猫好きとしては、かなり楽しめました。まあ、実際は猫というより、ほぼ招き猫なんですけどね。 捜査方法が今回は、砂川警部達が招き猫殺人事件を、鵜飼達が猫捜索を、と役割分担されているのが今までと違った展開でしたね。2チームの得た情報により1つの事件が解決に向かっていく推理編は爽快感があります。トリック自体は前2作に比べると少し弱くなったような気もしますが、3つの事件と猫との関わり方が面白かったので質が落ちたという感じはしません。 登場人物や世界観が、あれだけふざけているのに謎はしっかりしてるというアンバランスさも烏賊川市シリーズの魅力です。トリックの仕掛けとなる○○を知っていただけに解決編を読んでるときは、ちょっと悔しかった。しっかり伏線が張ってあるだけ余計に。何故気づかない! 掛け合いに関しては相変わらずの面白さです。ただ、少し落ち着いた感はあります。というより、今回は話が長いから、そう感じるのかもしれませんが。途中、事件に関係ない招き猫うんちくで数ページ使ったり、読み人によっては多少ダレる展開かもしれません。こういう関係のない脱線も烏賊川市シリーズっぽくて私は好きですけどね。 |
||
|
ミステリィとSFの融合・SF新本格にハマり近頃は西澤保彦ばかりを読んでいたのですが、西澤保彦とのファーストインパクトはSFではなく。バラバラ殺人でした。
これはまさしくバラバラ殺人の宝石箱やぁ…。 本書はその名が示すとおり、バラバラ殺人を題材とした9つの物語から成る連作短編集。作者はよっぽどバラバラ殺人というものが好きなようで、どれもこれもがバラバラ殺人。当初は全て首無し死体で統一しようとしていたらしいのですが、さすがにそれは無理だろうと思い直したため、様々な種類のバラバラ殺人が書かれています。 34個に切り刻まれた主婦、エレベーターで16秒間に解体されたOLといった本格的なものから、ぬいぐるのバラバラ事件といった人が死なないライトなもの、さらには短編集と言っておきながら、200ページほどの長さがある"推理劇『スライド殺人事件』"なる戯曲形式で書かれた中編級のものまで収められており、そのバリエーションたるや相当なもの。全てバラバラ殺人では、食傷気味になるのではなかろうかと心配していたのですが、全く飽きることがなかったですね。 題材が題材なだけにグロイ内容ではあるのですが、探偵役が直接事件に関わっているものが少なく、安楽椅子探偵的な他人事感覚で話が進んでいくので(数年前の事件を勝手に推理したり)バラバラ殺人だけど気持ち悪い部分は少なかった。また、飄々としたユニークなキャラが多く、常にあっけらかんとした雰囲気が漂っていて、それが事件の凄惨さを相殺していました。もともとは書店で見かけて、バラバラ殺人でも読みまくって気持ち悪い気分になろう! とM心満載で手に取った本書ですが、良い意味で裏切られました。凄惨そうにみえて、真相を知るとかなり笑える内容になっています。 トリックの方は、バラバラ殺人ですから何のために解体したのかを推理していくのは当然のことながら、動機にも拘りを持って、そちらの方面からも考えを巡らしていくのが面白かった。探偵役が考えだす動機(犯行動機、解体動機)というものが突飛なものばかり。そんなんあり? と言いたくなるようなものなのですが、探偵役は事件に関わりのない人間ですから、真意を確かめる術もなくそれが許されてしまうのが良いですね。そこから導き出されるトリックは強引だけど意外性のあるものばかりです。 連作短編集ということで、9つの物語はバラバラですが、人物であったり事件であったり微かに繋がりがあります。特に第9因に至っては、それまでのいくつかの事件が複雑に絡まっており本書の見所の1つです。これには唸らされました。 |
||
|
これまたダヴィンチの新刊文庫発売日を眺めていたら、アルフレッド・ベスターの名作「虎よ、虎よ!」が発売予定とのこと。ま、ま、ま、マジっすかーー!!旧版持ってるけど絶対買う!
これは嬉しすぎます。「虎よ、虎よ!」は私の好きな作品ではありますが、1つだけ不満な点が。それはズバリ表紙です。私の持ってる「虎よ、虎よ!」は祖母の家から発掘した78年の初版本でして、表紙が黒をバックにオッサン(フォイル)のアップという何とも厳ついもの。フォイルが私のイメージとかけ離れすぎていて、どうもこの表紙は好きになれなかったのですが、それが新装版として装いも新たに発売されるなんて最高! 私としましては新SFハンドブック内のセンス・オブ・ワンダーの風景でイラストを描いた寺田克也だったら言う事なしです。あの絵は半端じゃなくカッコよかった。 今になって本書が復刊される運びとなったのは、今年発売されたベスターの「ゴーレム100」の評判が良かったからなんすかね。これも読まねば。
|
||
|
きたきた!きましたよ! 烏賊川市シリーズ第3弾が文庫化。「密室の鍵貸します」「密室に向かって撃て!」を読み終えて以来、何度ノベルズ版を買ってしまいそうになったことか!本日、発売ということで暇だった&我慢できずに開店と同時に書店へ。新刊コーナーにも光文社文庫の棚にもまだ陳列されていなかったので、店員さんに直接聞いてゲット。とりあえず一言
"nice cover."猫好きにはたまらん表紙。たまらん兄さんですよ。 烏賊川市シリーズはノベルズだと表紙はどれもバラバラで関連性はないのですが、文庫だとイメージが統一されてて良い感じ。この「完全犯罪に猫は何匹必要か?」はタイトルからして猫が入っていますし、ノベルスの表紙も大量の猫をあしらったものになっています。文庫ではどうくる?と思っていたら想像以上に素敵な仕上がりで大満足(*´д`*) 帰り道に、さわりの部分だけ読んだのですが、早々に砂川刑事がポカをしていたので、今回も安心して読めそうだ。本来ならば一気に読了してしまいたいところですが、奇しくもギレンの野望と発売日が重なってしまっているため、どちらを優先すべきか非常に迷う! |
||